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ウクライナ戦争、腐敗と戦争長期化の懸念

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Dobry vecer!

エリシュカです。

さてと…

親露派側がロシアからの増援を受けて攻勢に出ています。

現在のところウクライナ側が劣勢です。東部で占領地を広げられている状況です。

ただ… うーむ…

ロシア側が何を達成したくてこれを行っているのか、その達成したいものが果たして本当にロシアにとって利益になるものかが相変わらずわかりにくいために、そこで思考がストップしている状況です。

親露派側が優勢なのは当然ロシア本国からの持ち出しが多いからです。ロシアの経済状況がこんなではウクライナ戦争は重荷以外の何物でもないでしょう。

占領に成功したとしても荒廃した東部のインフラを復興する費用は大きなものになるでしょう。

東部にある資源ははたしてそれらを補えるものなのでしょうか。

その点についてこの記事の後半部分で触れています。

http://www.thedailybeast.com/articles/2015/01/26/ukraine-is-losing-the-war-on-3-fronts.html


紛争状態を固定化(英語文献ではfrozenという言い回しが用いられます)してウクライナ国内を不安定化させる戦略だとしても、

戦争をこれだけ長期化させてしまった現在ではウクライナ側にかなりの反露感情が醸成されてしまっていると考えられます。

ウクライナを再び自陣営に引き込むことはそうした面で困難な状況になっていますし、

また経済面でも、西側は今後もウクライナに支援を続けるものと思われますし、また今の経済状況のロシアと一緒の経済圏に入ることにも魅力を感じないでしょう。


ただ、EU側にもギリシア問題など経済に影を落とすファクターがあり、こちらにも注視していないといけません。

今後も不断の観察を続け随時ご報告していきます。


さて、今日の主題はこれです。

これは去年11月の記事です。

ウクライナでの戦争が始まって以来ロシアから犯罪組織が流入し、戦争状態にも関わらず現地のウクライナ側の犯罪組織と結託し悪事を働いているというものです。

http://www.vice.com/read/how-the-invasion-of-ukraine-is-shaking-up-the-global-crime-scene-1106

記事によれば、オデッサは犯罪交易のハブとなり、武器密輸、人身売買、違法薬物取引がここを経由して行われていると報告しています。

そしてクリミアのセヴァストポリは今後オデッサ以上のハブとなりうる条件を整えているとしています。

もともとウクライナの政治・行政の腐敗の度合いが大きかったことに加え、戦争が始まって以来の経済状態の悪化、さらにロシアへの経済制裁が密輸出入にかかわる犯罪組織の跳梁を促進させ現地の政治・行政との腐敗した癒着を引き起こしているとしています。


政治・行政の腐敗と犯罪組織による巨大な腐敗の構造がいかに戦争を長期化させるかは、アンナ・ポリトコフスカヤの著書「チェチェン・やめられない戦争(邦題)」で詳しく述べられています。

この著書述べられていることは、

まず軍のトップレベルでは戦争状態が長引いていることにより昇進の機会が多くなる。

また国から回された戦費を横領できるチャンスも増える。

現場の兵士は現地人から略奪(文字通りの略奪のほかに逮捕と称して現地人を合法的に拉致し親族に身代金を要求する)して得られる利益が増える。

現地の行政府(著書ではロシア政府により樹立されたチェチェン共和国政府)はモスクワより与えられた復興費を横領できる。

そして現地の犯罪組織はこうしたゆるい状況を利用して犯罪的営為を拡大させる(著書では石油パイプラインからの抜き取り密輸とそれを保護する内務省員)。

さらに、戦時下のブラックエコノミーの形成自体も戦争長期化の原因になります。

こうした戦争状態に適応した経済は、戦時下で生きていかねばならない現地人がそれに依存せざるを得なくなる状況になった場合、戦争状態を現地人にとってなくてはならない環境にしてしまうのです。


今回のウクライナ戦争ではロシア、ウクライナ双方から不正規兵が入り込んでいます。

正規兵・不正規兵と犯罪集団の関係が今後密になり現地でブラックエコノミーが発生する事態に及べば、それはこの戦争の行く末を左右するファクターの一つになるかもしれません。


今日はこんなところでしょうか。

それでは、Na shledanou!

当面の今後の方針

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Dobry vecer!

エリシュカです。

さてさて…

このブログはもう一つのこれ
http://crnogorac.blog117.fc2.com/

の衛星的なもので、

中の人の専攻地であるバルカンに軸足を置きつつEU・NATO域内の他の紛争地や悪影響を与える恐れのある外部要因についてご説明するものです。

よって、情勢の変化により対象地が変化します。


このブログのサブタイトルが「バルト三国を中心とした」なのですが、

国内経済状況などロシアの国力に関する最近のものを見ていくと、どうやらロシアが当面バルト地域で何かをしでかす、つまりNATOと本格的にことを構える可能性は低いと思われます。

もちろんバルト三国内のロシア系が独自に動くなどの可能性はまだありますが、それはそれで単体として見るべきものです。


私が今目を付けているのは、ロシア・ウクライナ・モルドヴァ(+前のエントリで触れたベッサラビアのウクライナ領)・ルーマニア・ハンガリーの線です。

マリウポリ方向への攻勢などロシアが今後ウクライナの黒海沿岸沿いを手中にする方向で動くのであれば、仮にそれが実現不可能であるにしてもウクライナのこの地域、として沿ドニエストルのロシア系を活性化させ、

親露派のガガウズ人と合わせてこの地域を不安定化させるかもしれません。

モルドヴァが危うくなればルーマニアを刺激し、またルーマニアの民族主義が高揚すればトランシルヴァニアをめぐりハンガリーとの関係に影響を与えるかもしれない。


また、それとは別にウクライナとポーランド、スロバキア、ハンガリー、ルーマニアが接する場所、ザカルパッチャ州とウクライナ西部を含む難しい地域ですが、ここも見ている必要がある。


よって、試験的にこのブログの軸足をこちらに移してみます。

この方向性がただしいようであれば、そのまま続行します。


ウクライナ情勢に関しては、管理人が興味を持っているHybrid Warfareについて、戦略論の比重を多くしつつ今後も書いていきたいと思います。


今後とも、このブログを宜しくお願い致します。

今日はこんなところでしょうか。

それでは、Na shledanou!

ウクライナ、バス攻撃事件の影響

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Dobry vecer!

エリシュカです。

今回は、ウクライナのドネツィク近郊ヴォルノヴァハで起こった民間人の乗ったバスへの攻撃とその後の流れについてです。

1月13日に起こったこの事件はウクライナ国内でかなり深刻に受け止められています。

15日は服喪の日とされ、リトアニアもこれにならったようです。
https://twitter.com/LithuaniaMFA/status/555605334983991296

ウクライナ大統領、首相、ウクライナ議会は欧州議会、欧州委員会などに親露派武装集団をテロリスト認定するよう要請しました。
https://twitter.com/UKRinVAT/status/555366491353530369
https://twitter.com/UKRinVAT/status/555371991335968769

注目されるのは、件のシャルリーエブドの件にリンクさせる形でこの事件がウクライナ人に受け止められていることです。

Je suis Charlieにちなんで"Je suis Volnovakha"がウクライナ人によって拡散され、twitterでもこのハッシュタグをつけたツイートが多くみられました。

そもそもポロシェンコ大統領のtwitterアカウントがこの文をアイコンに使い、この運動を広めることを呼び掛けています。
https://twitter.com/poroshenko/status/555469503870824448

問題は今現在有名無実化しつつも存在し続ける停戦合意の行方です。

ポロシェンコ大統領はこの事件の後ドイツのメルケル首相、フランスのオランド大統領と電話会談していますが、

メルケル首相は当日ドイツを訪問していたNATOのストルテンベルグ事務総長との会談でNATOが露と対峙することに消極的な発言をしており、
http://www.b92.net/info/vesti/index.php?yyyy=2015&mm=01&dd=14&nav_id=946757&utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter

ポロシェンコにどのように応答したのか気になるところです。


さて、このジュシュイシャルリーに連動したウクライナの動きはジレンマをはらむものです。

西欧諸国内で反過激イスラム・反移民感情が盛り上がり右派の勢力が増大すれば、そうした右派はたいてい反EUのスタンスであり、

統一されている欧州に支持されていることが生命線であるウクライナにとっては非常に好ましくない事態になる恐れがあるのです。


さて、今後ロシアはどう行動するでしょうか。

停戦が有名無実であるとはいえ、大規模に軍を投入するには公式に戦争状態にあると宣言することが不可欠です。

そして今現在のドネツィクとルハンスィクだけを「凍結された紛争地域」にしたところでウクライナ全土の不安定化は不可能です。

この場合、ノヴォロシアの創設まではできなくても、せめて海岸地帯は奪取、少なくとも紛争地域にしてウクライナにもNATOにも使えないものにしたいところでしょう。

マリウポリからオデッサまで紛争を拡大し、沿ドニエストルと連結させるのが考えられる今後の行動かもしれません。

そういえば、ウクライナ領ベッサラビアで妙な動きが出ているようです。
http://neweasterneurope.eu/articles-and-commentary/1437-the-republic-of-budjak-next-in-line

ベッサラビアはプルート川とドニエストル川にはさまれた全域をさし、もともとルーマニア領だったのですがソ連にもぎ取られたあと現在のモルドヴァ以外の部分はウクライナ領になっています。


凍結された紛争ということで、OSCEなどの介入の責任を追及する声もあります。

ドネツィク空港の戦闘で動きがあった件についてこのユーザーは、
https://twitter.com/tuumapomm/status/555738351299756032

エドワード・ルトワックの国際機関による紛争介入の弊害についての主張を思い起こさせます。

ちなみに次期OSCE議長国はセルビアなのですが、
http://inserbia.info/today/2015/01/serbia-takes-over-osce-chairmanship-at-difficult-time/

これについてかなりウクライナ人が懸念している模様です。


次回はバルト三国について書いてみたいと思います。


今日はこんなところでしょうか。

それでは、Na shledanou!



まだ気が早いですが、EUの行く末とその影響

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Dobry vecer!

エリシュカです。


んー… また事態が読みづらくなってきました。

新たな、というかこれはきっかけさえあればいつでも噴出したものなのでしょうが、不確定要素が出てきました。

ご存知のシャルリーエブド事件の反作用です。


この事件の後EU加盟各国首脳がパリに集まり団結行進を行いましたが、

この団結行進は、EU分裂という終わりのはじまりかもしれません。

この問題はEU加盟諸国の反移民感情と絡んでおり、そしてその意をくむ極右政党の勢力伸長の一助となる可能性があります。

これらの極右政党は、反EUのスタンスです。


何度も申し上げている通り、東欧の旧ソ連地域、また南東欧地域が団結しているのはひとえにEUという安心できる枠があるからです。

西側に良い感情を持っているとはいい難いセルビアが完全にロシアになびかないのもEUの経済力・安定化力に期待が持てるからです。

EUが崩壊、少なくとも著しく求心力を失う事態になったらこれら地域の団結は雲散霧消する可能性があります。

欧州人という意識が強くまたロシアに対する警戒心の強い東欧北部ではこの地域独自にまとまるかもしれませんが、南東欧地域はかなり不安定化すると思われます。

西欧主要国の今後は、ウクライナなど旧ソ連圏でのロシアの動向以上に東欧諸国に深刻な影響を及ぼします。


西欧主要国がそれぞれ独自の地政学の論理で動き始めたら事態はかなり読みづらくなると思われます。

特に東欧地域に伝統的につながりが深く関心が高いドイツの地政学の論理についての考察は今後非常に重要になると思われます。

独露関係は今のところ深刻な対立にまでは至っておらず、この状態でEUという要素がなくなることにより欧州全体の大義というものがなくなり独が独自の論理で動くとなれば、独露関係はより良好化するのではと思います。

しかし、独単体では東欧全域の安定化の任は不可能でしょう。


ロシアはルーブルの急激な下落後も対ウクライナ政策は改めていません。

しかし今後ウクライナその他の旧ソ連地域への手出しが経済的に難しくなろうとも、

各紛争地域はそれぞれ独自の論理を持っており、露のウクライナ侵攻後活気づいたこれらの地域が露の後退後も独自の論理で動きだす可能性がないとはいいきれません。


EUが消滅あるいは著しく弱体化した場合これら地域への対応はどうなるでしょうか。


私は、EUがなくなってもさすがにNATOは残ると思っています。

NATOとEUとの関係は簡単なものではなく、EUも独自の防衛政策を追求しておりそれらが絡み合っていますが、

NATOが生き残っていていれば5条対応の義務はなくなることはなく、このため露のNATO本体への攻撃の可能性は以前低いと思われます。

ただ、上記の紛争地帯が独自の論理で動き始めた場合、難しい事態に直面するかもしれません。


ま、まだまだ早い情勢予測ですが、ただそうした可能性が出てきてしまった以上、考えないわけにはいかなくなっています。


今日はこんなところでしょうか。

それでは、Na shledanou!

ロシアのHybrid warfareの限界

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Dobry vecer!

エリシュカです。


ちょっと、というかかなり日にちが開いてしまいました(汗)

管理人がノロに感染しその間溜まった仕事の処理をやっていたので今日の日付になったのもありますが、

件のロシアの経済情勢、私はこの方面に強くないのでどの方向に行くのか、経済面でどこに影響が出るのか、このあたりの見極めに時間がかかっていたこともあります。

このブログでは東欧北部方面における地政戦略的作用・反作用について書いているためこれについて一定の見極めができている必要があります。


今回は、現時点でのロシアのHybrid warfareについての評価を行いたいと思います。

Hybrid warfareについては前のブログで何度も触れましたし、その問題点についても書きましたのでそれと若干重複する部分もあります。


この評価はそれほど難しいものではありません。

成功した地域と失敗した地域が歴然と並んでいるのでそれらを比較検討すればよいのです。

前者がクリミア、後者がウクライナ東部です。


クリミアではなぜ成功したのか。

クリミアは一度奪取され防備が強化されると奪還しにくい地形であり、不意のことゆえ急な対応ができなかったことを差し置いてもウクライナ政府による奪還は困難であると思われます。

そうした閉鎖的な地理的環境に加え、クリミアは自治共和国というそれ自体一つの統治機構を持っていた。これをすみやかに奪取することでクリミア全体を手中にすることが可能になりました。

現地の露系とセヴァストポリという「橋頭堡」の存在もありました。


ウクライナ東部はどうか。

すでにクリミアで戦争が行われウクライナそして西側がすでに警戒していた状態だったとはいえ「共和国」設立宣言までは行くことができました。

しかしウクライナ東部は地形的に無防備でありウクライナ政府側が「対テロ作戦」(ATO)を行うに及び交戦状態に陥りました。

この地理的な閉鎖性の無さは、現地に親露派が存在して地方自治体としての統治機構があっても地域全体を掌握することができないという結果をもたらしました。


ここにおいて本質的な問題が出てきてしまっています。

戦争状態ではないと言い張りつつ速やかに入り込んで地域を奪取するという戦争方法をとっている以上、正規軍による大規模侵攻ができないため、こそこそ兵力の逐次投入をすることしかできなくなっているのです。

そのため、この戦争は局所的にはロシアとウクライナとの戦争ですが、ウクライナの背後に西側が控えている状況では、ロシア側のほうが不利な消耗戦に引きずりこまれている、という印象です。


さて、このHybrid warfareの今後についてはどうでしょうか。

クリミアが成功したのは侵攻が奇襲として成立すること、現地にあらかじめ「橋頭堡」となる集団がいることです。

現在欧州方面で、ロシアと国境が接していてロシア系住民のいるエストニア、ラトヴィアはNATOがもっとも警戒する地域となっており、奇襲ができない状況となっています。

これは、欧州方面だけでの話ではありません。Hybrid warfareは近隣諸国を極度に警戒させてしまう戦争方法であるため、他の地域での近隣諸国に対しても奇襲が成り立つかは疑問です。

こうしたことを考えれば、結局このHybrid warfareは、あとに正規軍の大規模侵攻が続かない限り、対象地域に紛争をおこしそこを恒常的不安定地域にする以上のことは、クリミアのように好条件が整っていない限り不可能です。

結局、これはウクライナにおける戦争を容易なものにするための戦略的な助攻として行うか、グルジアやモルドヴァでやったように影響力を維持するために行うものとなるでしょう。

しかし後者は、その後も西側が両国をいじり続けている現状を見れば効果があるとは思えません。結局、この両国がNATOの軍事拠点にならないようにするという防勢的地政戦略に供するだけです。


ロシアの今後を読むにはまだ難しいものがあります。

ただ、気になるのがロシアが米の原爆投下を人道に対する罪として云々を言い出していることです。

ロシアは冷戦後の世界秩序、その土台になっている第二次大戦後の世界秩序の変更を意図しているのかもしれません。

ただ第二次大戦の処理は勝てば官軍方式でありソ連も戦勝国の一員であった以上、これを覆すことは自分の足元を掘り崩す危険性があるかもしれません。


今日はこんなところでしょうか。

それでは、Na shledanou!

プロフィール

belaoluja

Author:belaoluja
こちらは南東欧戦略環境分析局blog http://crnogorac.blog117.fc2.com/ から萌え要素を抜いたものになります。

文責は同じ @crnaoluja (twitter) です。

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