エストニア、露の元KGB職員を国境にて逮捕

Доброго вечора!
教祖です。
今回は速報的な記事なので手短に。
エストニアとロシアとの国境であるナルヴァ川において、記事によれば先週日曜、ロシアの元KGB職員二人が不法入国の疑いでエストニア側に逮捕されました。
http://www.theguardian.com/world/2014/oct/03/estonia-kgb-officers-arrest
まだ情報が十分ではないですが、こうなるとやはり先のエストニアの保安局員のロシアによる拉致は現場の単独行動ではなくロシアの首尾一貫した戦略の一環ということになります。
となるとロシアはバルト一帯でこうした動きを行っている可能性があり、ロシアと直接国境を接するエストニアとラトヴィアが当面注意深く観察されるべき対象となったと思われます。
この場合ロシアのHybrid Warfare(ambiguous warfareは昨今の西側での論述ではHybrid warfareと呼称されることが多いので、当ブログでも以降この用語を用います)の対象になりうる可能性も考慮すべきかについても重要なイシューになることになります。
国内にロシア系住民を抱えて、ロシアとの領土問題が過去に存在し、ロシアと国境を接するNATO加盟国はエストニア以外にラトヴィアがあります。
この場合なぜ今のところこうした事態がラトヴィアで起きていないのかという疑問がわきます。
ラトヴィアもロシアの考えるシアターの中に既に入っており見えないところで事態が進行している可能性もあります。
ラトヴィアのロシア系住民はエストニアのそれと比べて主要民族との関係が悪く、ここに火をつけるような真似をすればNATOとの深刻な摩擦になる可能性があり、ロシアはそれを最後のカードとして取っておいておく算段なのかもしれません。
ただエストニアは先のサイバー攻撃の対象にされた件もあり、ロシアにとっての地政学的重要性の観点から見る必要があります。
ところで、前のエントリでノルウェーからの新NATO事務総長が就任したということを書きました。
ノルウェー本国でも今回の事態に対する本格対処が始まっています。
http://en.ria.ru/world/20141001/193522353/Norway-Needs-Defense-Overhaul-Amid-Russian-Threat-Norwegian.html
ロシアと国境を接する軍事的中小国という立場ではノルウェーは前線の東欧のNATO加盟国と同じです。
しかし、スウェーデンで政権が変わり、東欧政策に変化が生じればなんらかの不協和音が生じるかもしれません。
スウェーデン、パレスチナを承認
http://www.reuters.com/article/2014/10/03/us-sweden-politics-palestinians-idUSKCN0HS0XN20141003
V4の中でチェコなどから現在の欧州の対露政策への注文が出ているなど、北欧+バルト+V4という枠組みの維持に支障をきたす可能性もあります。
そのあたりも、今後のストルテンベルグ事務総長の仕事の重要な仕事の一つになります。
今回はこんなところでしょうか。
それでは、До побачення!
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