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エストニア保安局員の「拉致」事件と露の戦略

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Доброго вечора!

教祖です。


以前のエントリで書いたエストニア保安庁の職員Eston Kohver の「拉致」の件、まだ事態が動く気配はないようです。

この件ではEUが動いています。

EUは在ロシア・EU大使を通じてKohverを即時釈放する事を要求しています。

http://uk.reuters.com/article/2014/09/11/uk-estonia-kidnapping-eu-idUKKBN0H62F620140911

EUはこの件を「露による拉致」としています。ここまで言い切る以上西側は露に対しこの件で断固とした態度で臨む姿勢であると見ることができます。

しかし、NATOはこの件に関して何かするという意志は今のところないようです。

http://www.npr.org/2014/09/14/348351241/estonia-spy-dispute-could-be-russia-making-anti-nato-mischief

この記事ではMark Galeottiの見解が紹介されています。ちなみに彼はこの件を露による拉致とした上で論じています。

Galeottiが推測する露の意図は、まずこの事件の直前に行われたオバマのバルト三国防衛宣言への面当て。

そしてNATOの防衛意志は軍事面だけでこうした類の件では動かないことをNATOの辺境諸国に知らしめること、

さらに、この件によってNATO加盟国内に足並みの乱れが生じるかどうかの試すという意図。


「面当て」という目的であれば、この件はNATOのウェールズサミットの終日に行われたものであるがゆえに実にタイミングがよいものであったと言えるでしょう。

そしてウェールズサミットの宣言が出された直後のこの行動は、上記第二の、NATOはこうした件では無力であることを衆目にさらす目的にも十分かなうものです。

第三の加盟国内の足並みの乱れを狙うという意図は、今後のウクライナでの停戦の成り行き如何ということになるでしょう。


そもそもNATOが現在行動を起こしていないのは、ウクライナでの停戦の行方を見守るという非常にナイーヴな時期であるからという見かたもできるのです。

停戦が今後進展する見込みがあるのであればNATOとしても攻撃的な意志をしめることは控えるはずです。

停戦が破られればこの件はNATOと露間の対立イシューの一つになるでしょう。

しかし、停戦がこの戦争の集結にまで漕ぎ着ければ、露によるウクライナ東部の分離地域化という目的は達成されたことになるのですから、露がバルトに手を出す可能性は低くなり、

露によるNATOによるバルト防衛の意志の無力化のための努力は中止されることになるでしょう。


ともあれ、この件は露が明確に西側に対して何らかのメッセージを発しているわけではないため、この件の意味についての考察、今後の予測が立てにくいです。

昨日起きた、バレンツ海でのリトアニア漁船拿捕の件も、露に何らかの西側に対するメッセージであるのか否かは不明です。

http://en.delfi.lt/lithuania/economy/russia-detains-lithuanian-fishing-vessel.d?id=65894796#dreload1411135922147

これについても、リトアニア側は露による不法な拿捕、露側はリトアニア漁船の不法行為に対する取締りと、エストニアの件と同様な状況になっています。

この件についてエストニアと絡めて語る論調も見られ、次はラトヴィアだという者もいますが…


しかし、個人的には僕は、エストニアの件は現場の暴走など当局が関与していない場合も想定していますので、この件の真実そのものについてのレベルで慎重に観察しているところです。


それから、あとはこのニュースを紹介して今夜は終わりたいと思います。

ハンガリー政府はスロヴァキア憲法裁判所が国民の二重国籍を認めない旨の判断を下したことに失望を表明しています。

http://www.politics.hu/20140918/hungary-disappointed-over-top-slovak-court-decision-on-citizenship-law/

先にご紹介したように、ハンガリーは国外ハンガリー人にもハンガリー市民権を与えています。

国内にハンガリー人を抱え、歴史的にも良好とは言えないスロヴァキアからすればこのハンガリーの決定は当然警戒すべきものでしょう。

ハンガリーは今のところEUに極端に反発する姿勢は見せていませんが、今後の動向には十分が必要だと思われます。


それでは、

До побачення!
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