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スウェーデン領海での対潜作戦、リトアニアの懸念

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Доброго вечора!

教祖です。


バルト海沿岸地域での動きが活発になっていてこちらのブログの更新のほうが頻繁になっています。

先週よりスウェーデン領海内での不審船の活動が報告されたため(17日軍発表)、スウェーデン軍は首都ストックホルムに近いストックホルム群島海域にて大規模な対潜作戦(ASW)を行っています。

カリーニングラードからストックホルム群島のどこかに向けての通信が傍受されたこと、ロシアの民間船がスウェーデン領海外で意味ありげにうろうろ行動していることなど比較的重要度の高い作戦行動のようです。

ただロシア側はこの海域に潜水艦がいることは当然否定しており、オランダ軍の潜水艦であると反論を行っています。


このブログでは、この件について地政学的なレベルでの分析を行いたいと思います。

まず、スウェーデンは前政権時代、2009年5月7日に設立された当方パートナーシップをポーランドと主導するなど欧州の東方拡大政策の中で重要な位置にいました。

現在の視点からは、NATO非加盟国のスウェーデンがこうした行動を行うことは火遊びだった観があります。

スウェーデンの東方政策についてはロシアも不快感を抱いていたようです。少なくともバルト沿岸地域におけるNATOの安全保障体制にとって重要な位置にあり、こうしたこともあり、2013年3月29日、ロシアの爆撃機がストックホルムとその周辺を攻撃する想定の威嚇的な演習を行っています。

http://theaviationist.com/2013/04/22/backfire-sweden/


スウェーデン(とフィンランド)はNATO加盟国ではありません。

NATOにとってバルト海地域は重要ではあり、北欧防衛協力のようなシステムも存在します。

http://www.nordefco.org/The-basics-about-NORDEFCO

しかし、加盟国ではないため共同防衛義務はありません。

バルト海におけるスウェーデンの地政学的重要性に加え、無体な行動を行ってもNATOは動けないのが、ロシアがスウェーデンを標的にしている理由の一つであると思われます。


スウェーデンは政権交代後、NATOと距離を置き国連を軸にした安全保障ポリシーに転換しようとしています。

しかも現与党は議席が比較的少なく、迅速な意思決定に支障がある可能性があります。

ロシアの今回の行動は、スウェーデン新政権の安全保障ポリシーの実態の確認、そして新政権に対する威嚇の意味があると思われます。


一方、リトアニアは別の懸念を抱いています。

リトアニアには、今回のロシアの行動が、ロシアの天然ガス依存から脱却するための一環として韓国製のLNGターミナルが近日到着する予定になっていることへの牽制であるという見方が存在します。

http://en.delfi.lt/nordic-baltic/lost-submarine-in-swedish-waters-message-to-lithuania.d?id=66175440

また、今回の件を受けてリトアニアはベラルーシ及びカリーニングラードとの国境警戒を強化したとの情報もあります。


こう見てくると、以前のエストニアの情報局員の「拉致」事件もふくめ、ロシアはバルト海地域の撹乱を目論んだ戦略を立案済みという疑念がわいてきます。

NATO加盟国ではあるが弱体で、またNATO加盟国であるが故にブリュッセルの対応を難しくしているロシア系住民の問題を抱えるバルト三国、

そしてバルト海の中心に存在する、NATOのパートナーではあるが共同防衛義務がある加盟国ではないスウェーデンとフィンランド。

そして先のプーチンによるセルビア訪問を考慮に入れれば、ロシアがバルトとバルカンで同時に地政学的撹乱戦術を取った場合NATOは一枚岩のすばやい行動ができず、もたついているうちに混乱が進行してしまうという危険性があります。

特に紛争の種がいくらでもあるバルカンに火をつけられた場合、そちらに足をとられバルトでのNATOの行動はさらに拙速になる恐れがあります。


ただ、ロシアがこれを行えば、バルカン、ウクライナ、東欧北部、バルト地域にまで混乱が拡大することになり、ロシアの欧州への資源輸出に重大な支障を与えるというブーメランになります。

またただでさえ難しい地域が連続するこの地域がこの規模で不安定化した場合、それはロシアの安全保障にとっても悪影響を及ぼす可能性があります。

一度不安定化させてしまったらロシアはもうコントロールはできないでしょう。

ロシアがまだ明確な行動を起こしていないのはそのあたりを理解しているからであり、今はその危険性を示威的に西側に示している段階だと思われます。


今回はこんなところでしょうか。

それでは、До побачення!

*バルカンについて語っている姉妹ブログもよろしくです! http://crnogorac.blog117.fc2.com/
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こちらは南東欧戦略環境分析局blog http://crnogorac.blog117.fc2.com/ から萌え要素を抜いたものになります。

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