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北欧、バルト三国、現在の情勢

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Jó estét.
エルジェーベトです。

今回は、今現在の北欧、バルト三国情勢について、大まかに。

9月2日から8日にかけてのSteadfast Javelin II、11月2日から14日までリトアニアで行われたIronsword 2014とNATOによる演習がこの地域で行われています。

後者のIronsword 2014は米、カナダ、英、独、ルクセンブルク、チェコ、ハンガリー、エストニア、軽25000人の人員が参加して行われたもの。

リトアニア国防省による説明文です。

http://kariuomene.kam.lt/en/international_military_exercises/iron_sword_2014.html

この中で、Iron Sword 2014 is also linked to non-kinetic operations Exercise Trust 2014 of the Lithuanian Land Force where participants will be practicing to complete indirect impact operations in a civilian environment in the districts of Molėtai and Švenčionys.  とあり、露によるHybrid warfareを意識したものだと思われる。

リトアニアによる緊急対応部隊創設とも呼応しています。

http://www.baltictimes.com/news/articles/35774/#.VGW8WulxnIW

ここにラトヴィアが参加していない理由はわからない。

ラトヴィアの国防意識はトーンダウンしているわけではないし、些細な事情かもしれない。

ただラトヴィアの国境付近でロシア系によるラトヴィアのロシアへの併合を求める小規模な運動があったという報道もあり、

http://www.baltictimes.com/news/articles/35774/#.VGW8WulxnIW

微妙な情勢ではある。


バルト三国はこの様子。

この地域でのNATOの非加盟国であるフィンランドとスウェーデンはどうか。

スウェーデンの新政権はNATOよりも国連をという立場。

先の露による領海侵犯はこうしたことを把握してスウェーデンをNATOによるバルト防衛システムから手を引かせるための脅迫の意味もあったかもしれない。

しかし、スウェーデンがそこから抜けて、自分を取り巻くバルト海の戦略環境が悪化して困るのは、自分。

新政権も、最終的にはNATO寄りの選択肢を選ばざるを得なくなるのではと思います。

露はフィンランドにも手を引かせたがっている。

http://norwaytoday.info/home_view.php?id=11410

しかし、露軍によるこの地域での活発な活動がフィンランドに強い不信感を与えてしまっている。

http://www.theguardian.com/world/2014/nov/05/finland-warns-cold-war-russia-eu


13日には、北欧諸国による露に対する協力体制が合意された。

たとえばノルウェー、スウェーデン、フィンランドで行っている空軍訓練協力にデンマークも入ることになる。

http://www.reuters.com/article/2014/11/13/us-defence-north-idUSKCN0IX1IW20141113


露の威圧的行為は、結果として北欧諸国を団結させてしまう危険性がある。


ちなみに上の記事で、ノルウェーのセーライド国防相は、バルトだけでなく北極海の防衛にも言及している。

NATOとロシアは北極海でも接しているのです。

実のところ、北極海が新たな国際航路として見直されてこの地域が諸大国の角逐の場の様相を呈してきて以来、ノルウェーはこの地域で露を警戒していました。表面上関係は良好でしたが。

ノルウェーはウクライナ問題が起きると今年初夏あたりから北極海におけるNATOのプレゼンスの強化を求めていました。

http://www.reuters.com/article/2014/05/20/us-norway-defence-russia-idUSBREA4J0HE20140520

http://www.businessinsider.com/norway-wants-nato-to-prepare-for-an-arctic-showdown-2014-6


こうした西側の動きに接し、露はNATOのこの地域におけるプレゼンスは必要のないものだとしています。

http://barentsobserver.com/en/security/2014/10/russia-says-no-need-nato-arctic-expands-own-military-presence-22-10


欧州方面での露による大規模な軍事行動活発化だけでなく、オーストラリアをも脅威するなどウクライナ情勢は次第に深刻な冷戦に発展する兆しを見せています。

しかし、結局、今回の冷戦はなんのためのものなのでしょうか。

ここまで大規模になると、単に西側による東方拡大を断念させるだけなく、西側主導の世界秩序への挑戦まで露は考えているのかもしれません。

しかし、露にその力はあるでしょうか。

ただ、欧州も露からの資源輸入は重要だという深刻なジレンマがある。

当面、事態を注視しながら詳細な分析とそれに基づく予測をしていく必要があります。


それでは、今日はここまでです。

köszönöm. Viszontlátásra.




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スウェーデン領海での対潜作戦、リトアニアの懸念

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Доброго вечора!

教祖です。


バルト海沿岸地域での動きが活発になっていてこちらのブログの更新のほうが頻繁になっています。

先週よりスウェーデン領海内での不審船の活動が報告されたため(17日軍発表)、スウェーデン軍は首都ストックホルムに近いストックホルム群島海域にて大規模な対潜作戦(ASW)を行っています。

カリーニングラードからストックホルム群島のどこかに向けての通信が傍受されたこと、ロシアの民間船がスウェーデン領海外で意味ありげにうろうろ行動していることなど比較的重要度の高い作戦行動のようです。

ただロシア側はこの海域に潜水艦がいることは当然否定しており、オランダ軍の潜水艦であると反論を行っています。


このブログでは、この件について地政学的なレベルでの分析を行いたいと思います。

まず、スウェーデンは前政権時代、2009年5月7日に設立された当方パートナーシップをポーランドと主導するなど欧州の東方拡大政策の中で重要な位置にいました。

現在の視点からは、NATO非加盟国のスウェーデンがこうした行動を行うことは火遊びだった観があります。

スウェーデンの東方政策についてはロシアも不快感を抱いていたようです。少なくともバルト沿岸地域におけるNATOの安全保障体制にとって重要な位置にあり、こうしたこともあり、2013年3月29日、ロシアの爆撃機がストックホルムとその周辺を攻撃する想定の威嚇的な演習を行っています。

http://theaviationist.com/2013/04/22/backfire-sweden/


スウェーデン(とフィンランド)はNATO加盟国ではありません。

NATOにとってバルト海地域は重要ではあり、北欧防衛協力のようなシステムも存在します。

http://www.nordefco.org/The-basics-about-NORDEFCO

しかし、加盟国ではないため共同防衛義務はありません。

バルト海におけるスウェーデンの地政学的重要性に加え、無体な行動を行ってもNATOは動けないのが、ロシアがスウェーデンを標的にしている理由の一つであると思われます。


スウェーデンは政権交代後、NATOと距離を置き国連を軸にした安全保障ポリシーに転換しようとしています。

しかも現与党は議席が比較的少なく、迅速な意思決定に支障がある可能性があります。

ロシアの今回の行動は、スウェーデン新政権の安全保障ポリシーの実態の確認、そして新政権に対する威嚇の意味があると思われます。


一方、リトアニアは別の懸念を抱いています。

リトアニアには、今回のロシアの行動が、ロシアの天然ガス依存から脱却するための一環として韓国製のLNGターミナルが近日到着する予定になっていることへの牽制であるという見方が存在します。

http://en.delfi.lt/nordic-baltic/lost-submarine-in-swedish-waters-message-to-lithuania.d?id=66175440

また、今回の件を受けてリトアニアはベラルーシ及びカリーニングラードとの国境警戒を強化したとの情報もあります。


こう見てくると、以前のエストニアの情報局員の「拉致」事件もふくめ、ロシアはバルト海地域の撹乱を目論んだ戦略を立案済みという疑念がわいてきます。

NATO加盟国ではあるが弱体で、またNATO加盟国であるが故にブリュッセルの対応を難しくしているロシア系住民の問題を抱えるバルト三国、

そしてバルト海の中心に存在する、NATOのパートナーではあるが共同防衛義務がある加盟国ではないスウェーデンとフィンランド。

そして先のプーチンによるセルビア訪問を考慮に入れれば、ロシアがバルトとバルカンで同時に地政学的撹乱戦術を取った場合NATOは一枚岩のすばやい行動ができず、もたついているうちに混乱が進行してしまうという危険性があります。

特に紛争の種がいくらでもあるバルカンに火をつけられた場合、そちらに足をとられバルトでのNATOの行動はさらに拙速になる恐れがあります。


ただ、ロシアがこれを行えば、バルカン、ウクライナ、東欧北部、バルト地域にまで混乱が拡大することになり、ロシアの欧州への資源輸出に重大な支障を与えるというブーメランになります。

またただでさえ難しい地域が連続するこの地域がこの規模で不安定化した場合、それはロシアの安全保障にとっても悪影響を及ぼす可能性があります。

一度不安定化させてしまったらロシアはもうコントロールはできないでしょう。

ロシアがまだ明確な行動を起こしていないのはそのあたりを理解しているからであり、今はその危険性を示威的に西側に示している段階だと思われます。


今回はこんなところでしょうか。

それでは、До побачення!

*バルカンについて語っている姉妹ブログもよろしくです! http://crnogorac.blog117.fc2.com/
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こちらは南東欧戦略環境分析局blog http://crnogorac.blog117.fc2.com/ から萌え要素を抜いたものになります。

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