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西側の旧ソ連圏いじり、誘導出血?瀉血?

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Dobry vecer!

エリシュカです。


今回は、NATOが東方拡大に転じて以降の西側の東方政策、特に旧ソ連圏いじりを再考してみたいと思います。


ちなみに、これはあくまでも現状からの推理であることを銘記しておきます。

これについてちゃんとしたことを言えるためには以下の二点、

・ロシアが隣接国にフローズンコンフリクト地域(沿ドニエストル、アブハジアなど分離地域)を作り・維持するコストと利益どちらが多いのか

・西側主要国の、東方拡大政策に関する資料の深い分析

をクリアしている必要があります。

それを踏まえたうえで、今回の主題についての私の推理をお読みください。


私は、ソ連崩壊以降の西側の旧ソ連圏いじりを単なる勢力拡大程度に思っていました。

ロシアに直接接する国々であるため当然NATO・EU入りはバルト三国のような特殊例を除けば考えられず、それは単なる(ミアシャイマーの用語を借りれば)バックパッシングであり、牽制であると思っていました。

しかし、今回のウクライナの戦争について見ているうちに、ある疑念が湧いてきました。


これは西側のロシアに対する誘導出血(bait and bleed)あるいは瀉血(bloodletting)戦略(これもミアシャイマーの用語を借ります)ではないかということです。


この事例は特殊で、この二つのどちらかだと判断するのは難しいものがあります。

ロシアの隣に親西側・反露政権を作るという段階までは前者に見えます。

しかし当事者(この場合ロシア)が勝手に戦争を始めるという面では後者の範疇に入ると思われます。


ロシアの旧ソ連圏を国防圏と考えるポリシーでは隣に親西側・反露政権ができた場合、地政学的に危険な状況になったと見なし軍事行動を自ら起こす。

西側としては旧ソ連圏諸国をオセロゲームのように親西にするだけでロシアの体力を奪えるということになります。

ロシアは他国を攻撃することでそのたびに巨大なヒルを吸い付かせることになります。

さらに副次的な効果としてこうしたことを繰り返せばロシアは無法な国家であるという印象を世界に与えることができます。


もちろん、この推理は先に述べたようにロシアがフローズンコンフリクト地域を隣国に作ることのコストが利益よりも大きい場合にしか成立しません。

またこれを西側が意図的にやっているのかについては今までの東方分析に関する深い資料分析が必要です。


ともあれ、この観点から西側の旧ソ連圏いじりを見ることも有益ではないかと思います。

またウクライナの今後の行く末を考えることにもある程度役に立つでしょう。

先日パトルシェフが今回のウクライナの件はロシアを解体するために仕組んだ米国の陰謀だと非難していましたが、

この文脈で見るとあながち見当はずれではないかとも思われます。


ちなみに今回のミンスク合意の件ですが、今のところ私はノーコメントです。

最低でも一週間は事態の推移を見守る必要があります。

90年代のボスニア内戦では停戦合意は主に自軍の戦力を整え強化するための時間稼ぎにすぎず、

最終的にデイトン合意に至ったのは軍事的に決着が着いてからでした。



今日はこんなところでしょうか。

それでは、Na shledanou!

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まだ気が早いですが、EUの行く末とその影響

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Dobry vecer!

エリシュカです。


んー… また事態が読みづらくなってきました。

新たな、というかこれはきっかけさえあればいつでも噴出したものなのでしょうが、不確定要素が出てきました。

ご存知のシャルリーエブド事件の反作用です。


この事件の後EU加盟各国首脳がパリに集まり団結行進を行いましたが、

この団結行進は、EU分裂という終わりのはじまりかもしれません。

この問題はEU加盟諸国の反移民感情と絡んでおり、そしてその意をくむ極右政党の勢力伸長の一助となる可能性があります。

これらの極右政党は、反EUのスタンスです。


何度も申し上げている通り、東欧の旧ソ連地域、また南東欧地域が団結しているのはひとえにEUという安心できる枠があるからです。

西側に良い感情を持っているとはいい難いセルビアが完全にロシアになびかないのもEUの経済力・安定化力に期待が持てるからです。

EUが崩壊、少なくとも著しく求心力を失う事態になったらこれら地域の団結は雲散霧消する可能性があります。

欧州人という意識が強くまたロシアに対する警戒心の強い東欧北部ではこの地域独自にまとまるかもしれませんが、南東欧地域はかなり不安定化すると思われます。

西欧主要国の今後は、ウクライナなど旧ソ連圏でのロシアの動向以上に東欧諸国に深刻な影響を及ぼします。


西欧主要国がそれぞれ独自の地政学の論理で動き始めたら事態はかなり読みづらくなると思われます。

特に東欧地域に伝統的につながりが深く関心が高いドイツの地政学の論理についての考察は今後非常に重要になると思われます。

独露関係は今のところ深刻な対立にまでは至っておらず、この状態でEUという要素がなくなることにより欧州全体の大義というものがなくなり独が独自の論理で動くとなれば、独露関係はより良好化するのではと思います。

しかし、独単体では東欧全域の安定化の任は不可能でしょう。


ロシアはルーブルの急激な下落後も対ウクライナ政策は改めていません。

しかし今後ウクライナその他の旧ソ連地域への手出しが経済的に難しくなろうとも、

各紛争地域はそれぞれ独自の論理を持っており、露のウクライナ侵攻後活気づいたこれらの地域が露の後退後も独自の論理で動きだす可能性がないとはいいきれません。


EUが消滅あるいは著しく弱体化した場合これら地域への対応はどうなるでしょうか。


私は、EUがなくなってもさすがにNATOは残ると思っています。

NATOとEUとの関係は簡単なものではなく、EUも独自の防衛政策を追求しておりそれらが絡み合っていますが、

NATOが生き残っていていれば5条対応の義務はなくなることはなく、このため露のNATO本体への攻撃の可能性は以前低いと思われます。

ただ、上記の紛争地帯が独自の論理で動き始めた場合、難しい事態に直面するかもしれません。


ま、まだまだ早い情勢予測ですが、ただそうした可能性が出てきてしまった以上、考えないわけにはいかなくなっています。


今日はこんなところでしょうか。

それでは、Na shledanou!

はじめに。ロシアの欧州方面での地政戦略について大まかに

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Добрий день!

教祖です! 初めての方ははじめまして。

最初に、ということで、今回はロシアの現在の欧州方面での地政戦略について大まかに語りたいのですが、

露のそれは、個人的に把握しがたいものがあり、そもそも僕は露の専門家ではありませんので、現状と今後についての概観を大まかに書いてみたいと思います。


これについて考察する際、もっとも困るのが露の目的です。

露はいったい東欧で、いやそもそもウクライナでなにをしたいのでしょう。

これはロシア・旧ソ連地域の専門家Mark Galeottiが露のクリミア侵攻直後に書いたものです。

Why I still don’t think Russia wants to annex the Crimea
http://inmoscowsshadows.wordpress.com/2014/03/01/why-i-still-dont-think-russia-wants-to-annex-the-crimea/

この論文の中であげられている疑問点のうちクリミアに侵攻させた兵力が少なすぎるなど当時とは情勢が変わって現在では無意味になっているものもありますが、

最大の疑問は、ウクライナ暫定政権は当初反ロシア的な明確な姿勢をとっていたわけではなく、露もセヴァストポリを使用できる権利を持っていたにもかかわらず、というものです。

さらに、もう周知になっていると思いますが、クリミアにはイスラム教徒である多数のクリミアタタールが居住しています。

わざわざ「取らなくてもいい」クリミアを、しかも大事なセヴァストポリの後ろに反露的な少数民族を抱える状態で露に併合することにどれだけの利益があったのか。

さらに、ウクライナ東部の親露派が多い地域で現在進行中の暫定政府と親露派との交戦状態、僕にはこの状態が今後改善されていくとは思われません。

露は今後どうするのでしょう。これだけの人的損害の発生と憎悪の増大・拡散が進行中の状況では、露の言う連邦制にしてみたところで、ウクライナ政府と東部の親露派との和解は無理でしょう。

ならば、露は東部に侵攻し併合するのか。その場合現地の親ウクライナ派は? 民族浄化するのでしょうか? 政治的コストは大きいものになるでしょう。

しかし、放置もできないでしょう。プーチンの支持率がクリミア侵攻後大幅に上がりましたが、それは今後ともプーチンは民族主義的で勇ましい対外政策を続けなければいけないという枷を自分にはめたようなものです。

ちなみに、露系住民の問題はウクライナだけではありません。たとえば5月2日の多数の死傷者を出したオデッサの件ではモルドヴァの沿ドニエストルからの露系住民が参加していたと報じられています。オデッサと沿ドニエストルは距離的に近いのです。さらにモルドヴァ南部には親露で「分離主義者」のガガウズ人がいます。

さらにバルト三国。エストニアとラトヴィアには露系住民がいることをご存知の方も多いと思います。彼らと二国の主要民族(ラトヴィア人、エストニア人)との中は良いものではありません。これについては後ほどこのブログで詳述します。しかも、3月にラトヴィアの露系がラトヴィアのロシア連邦への加盟を求める嘆願書を出すためのネット署名が行われました。
https://secure.avaaz.org/ru/petition/Obrashchenie_ko_vsem_zhitelyam_Latvii_Sbor_podpisey_o_vstuplenii_Latvii_v_sostav_Rossiyskoy_Federacii/?twi

バルト三国はNATO加盟国です。NATOには加盟国の領土保全義務があります。露のウクライナでの動きがバルト三国の露系を元気付け、今後このような行動が多くなることになればバルト三国での事態はウクライナよりもはるかに深刻になります。そこまでの事態を招来するに見合う利益が露の今の東欧政策にはあるのでしょうか。

本当に、今の露は、理性的なプレイヤーなのでしょうか?

本当に、今の露は、長期的な戦略を持っているのでしょうか? もし仮にカッときてクリミアを取ってしまったのだとしたら今後のこの地域の情勢は空恐ろしいものになるでしょう。


以上のことを念頭に置きつつ、今後東欧北部について書いていきたいと思います。

До побачення!
プロフィール

belaoluja

Author:belaoluja
こちらは南東欧戦略環境分析局blog http://crnogorac.blog117.fc2.com/ から萌え要素を抜いたものになります。

文責は同じ @crnaoluja (twitter) です。

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